【アドラー心理学】あらゆる悩みを解決する唯一の方法

人にはそれぞれの悩みがあります。

仕事のこと、家族のこと、お金のこと…

いつの時代もどんな国でも悩みが尽きることはありません。
悩みがない人なんていない!と断言したくなるほど、人類共通のものでしょう。

だからこそ、人はどのようにして悩みを解決するかを求め続けています。

新しい娯楽が生まれたり、一風変わったことが流行ったり、非日常を求めたりするのはまさに「悩み」に起因しているといって過言ではないと思います。

1.悩みの正体
2.悩みの裏返し
3.人間は弱いから強い
4.幸福も人間関係から
5.解決の公式
6.遠慮せず頼ろう
7.まとめ

今回は、「悩み」の正体やその解決法について考察してみたいと思います。

1.悩みの正体

悩みはどこから来るのでしょうか。

ドイツの精神科医であり心理学者の、アルフレッド・アドラーは、「すべての悩みは対人関係に帰結する」と述べています。

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つまり、どんな悩みも対人関係から発生するものであり、それ以外は無いと断言しているのです。

例えば、「仕事にいきたくない」を例に考えてみましょう。

どうして仕事にいきたくないのかと問えば、「同僚との関係が良くない」「仕事がうまくいかない」「給料の割に仕事量が多すぎる」など、挙げ始めればキリがありません。

しかし、突き詰めていけば確かに対人関係にたどり着きます。

「同僚との関係がよくない」については、まさに対人関係そのものです。

「仕事がうまくいかない」では、結果を考えることでその正体が見えてきます。
仕事がうまくいかなければ、同僚に迷惑をかけたり、会社の利益に響いたり、先方の態度が気になったりするわけです。

つまり、背景には「相手」がいることがわかります。

「給料の割に仕事量が多すぎる」ことについては、給料自体が問題なのではなく、その仕事内容に不満があることが論点でしょう。

給料が少なくても、自分にとってやりがいのある仕事なのであればそのような悩みは出てこないことを考えると説明がつきます。

そして、仕事内容自体に目を向けると、「やりがい」「面白さ」が問題となり、それは「他者」との関わりの中で生まれていることがわかります(「やりがい」や「面白さ」が他者につながることの過程は、後述の幸福の話で詳しく見ます)。

同じく、家庭での悩みも、お金の悩みも、最終的には「相手」となる人がいることが見えてきます。

2.悩みの裏返し

すべての悩みが対人関係に帰結するならば、逆にすべての悩みは対人関係によって解決すると言えます。

むしろ、対人関係でしか解決しないとすら言えます。

先程の例で言うと、仕事がうまくいかないのであれば、人間関係を見直して、仲間を見つけることや、仕事を変えて人間関係をリセットすることなどが考えられます。

家庭の場合、夫婦や親子の関係を見直せば悩みが消えていくことが想像できると思います。

応用的に見ると、「なんかモヤモヤする」「嫌な感じがするけどどうすればいいかわからない」などは、対人関係というキーワードを元に探っていくと、核を突きとめられるのかもしれません。

それにしても、どうしてこんなにも対人関係が大事なのでしょうか。

3.人間は弱いから強い

人間は、サメのような牙があるわけでもなければ、象のような大きな体があるわけでもなく、はたまた蟻のような力があるわけでもありません。ましてや、鳥のように飛ぶことは夢のまた夢でしょう。

自然界において人間は何の武器も持たない脆弱な生き物です。
しかし、人間は生物のピラミッドの頂点に君臨しますから、いわば最強と言えます。

なぜここまでの地位を手に入れたのでしょうか。

それは、人が集団を形成し、お互いで守りあったからと言えるでしょう。

火を発見したことにはじまり、武器を発明し、環境から身を守る道具を産み出し続けました。

結果、どんな外敵をも退けられるようになったのです。

これらのことは、決してひとりでは成し遂げられません。

以上から、人はひとりでは生きていけないことが見えてきます。
言い換えると、人が生きていくためには対人関係こそが命なのです。

人間が社会的な生き物であると言われる理由もこういったところにありそうです。

4.幸福も人間関係から

対人関係によって悩みが解決されるだけでなく、幸福もそこから生まれます。

これは人間の特性と言うべきものだと思いますが、相手に喜んでもらえると自分が嬉しくなるのです

すなわち貢献感と言えるでしょう。

先の話に続き、これは人間の生存するための本能だと思わざるを得ません。

「やりがい」や「面白さ」もこの観点から説明がつきます。
相手に貢献することで幸福に感じるわけであって、結果的にこれが「やりがい」や「面白さ」と表現されていると言えます。

悩みの解決だけでなく、幸福を追い求めるときも対人関係をベースに考えると明確なものが見えてきそうです。

5.解決の公式

ここでひとつの答えが導き出されます。

あらゆる悩みを解決するための唯一の方法は、「人に頼ること」ではないでしょうか。

「頼る」とは様々なものがあり、話を聞いてもらうことや、遊ぶこと、食事をすること、アドバイスをもらうことなどが考えられます。

どんな形にせよ、信頼できる相手、気の置けない相手と関わることが解決の一歩だということです。

例えば、恋愛に悩んでいる人は恋愛相談をしますよね。
これはまさに対人関係において悩みを解決しようとする例になります。

もちろん、すべての悩みがきれいさっぱりなくなるわけではありません。

しかし、少しでも和らげたり、忘れられないながらも次に進めたりすることも「解決」の範疇だと捉えると、やはり解決の背景にも「相手」がいることがわかります。

また、ここでは友達のような「相手」を想定していますが、相談という意味では公的な相談窓口や初対面でも相談に乗ってくれる人なども含まれるはずです。

よって、友人に限らず、各個人の頼りやすい相手が一番いいかと思われます。

6.遠慮せず頼ろう

頼ることに気を遣ってしまう人は少なくありません。
しかし、ここまでで、頼らなければ解決の糸口が見えないことが見えてきたかと思います。

人に思いきって頼るためには、一度立場を逆転させてみるといいかもしれません。

「もし自分が友達から頼られたとしたら」と考えるわけです。

どう思いますか?

きっと、「頼ってくれて嬉しい」と思うのではないでしょうか。

すると、今頼りにくいと思っていることは杞憂なのかもしれないことが見えてきます。

遠慮よりも尊敬を忘れず、頼ればきっと自分も相手も幸せに近づくはずです。

7.まとめ

今回は、悩みの解決法について考察しました。

すべての悩みが対人関係に帰すると考えると、対人関係を通してでしか解決できないことがわかりました。

むしろ、幸福も対人関係の中でしか生み出されないかもしれないことを考えると、いかに対人関係が重要であるかが見えてきました。

どんな悩みも一度対人関係に立ち返ることで、解決の糸口が見えてくるのかもしれません。

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