なぜ勉強しなければならないのか?学ぶことの重要性について!

「なぜ勉強しなければならないの?」と子どもの頃、疑問に思ったことはありませんか?

数学の公式や歴史の年号、化学の元素記号……「こんなこと、大人になって使うの?」と思ってしまいますよね。

実際のところ、社会に出てから「因数分解ができなくて困った!」という場面は少ないかもしれません。しかし、それでも学校で学ぶことには大きな意味があるはずです。うまく説明できないだけで。

今回は、「なぜ勉強するのか?」について、多角的に考えてみます。

1. なぜ学校の各教科を勉強しなければならないのか?

本当に大事なのは、教科の知識ではなく「人と関わる力」。

学校で学ぶ最も重要なことは、実は「人との関わり方」かもしれません。
例えば、下記のような事例です。

①クラスメイトと協力して課題を解決する
②先生や友達と議論する
③部活動や学校行事でチームワークを発揮する

こうした経験は、社会に出たときに不可欠な「コミュニケーション力」や「協調性」を育みます。
生きていく上で大変重要な力だと言えますね。

しかし、それならば「国語・数学・理科・社会・英語」などの各教科を学ぶ必要はあるのでしょうか?

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2.では、なぜ各教科を学ぶのか?

理由① 全人教育でなければならないから

「全人教育」とは、人間を総合的に育てる教育のことです。

人は、ある一つの分野だけに特化して生きていくわけではありません。
音楽家であっても経済の知識が必要なことがあるし、科学者であっても文章力が求められる場面があります。

そのため、特定の分野だけでなく、幅広い知識を身につけることが大切だと言えます。
各教科があるからこそ、偏りすぎず成長できていると推測ができます。

理由② 世界を細分化すると、教科ごとの世界になるから

世界はひとつのまとまりですが、それを理解しやすくするために細分化したものが「教科」です。

物理:自然の法則を理解する
国語:言葉を通じて人の思考を知る
社会:人間の歴史や仕組みを学ぶ

このように、世界を構成するさまざまな要素を分野ごとに分け、それぞれを深く学ぶことで世界全体を理解しやすくなるのです。

これを体感するには、今何か思い付いたことを「教科で言うとどれになるのか」と考えてみてください。

「机」を例にすると、製造を思い浮かべるかもしれません。
ということは、技術科や理科につながります。

「疲れたな」を例にすると、「疲れないようにしたい」と考えたり、「なぜ疲れるのだろう」と連想できます。すなわち、これは保健体育に属することになります。

別解で、情報を集めるために本を読むことが考えられるので、国語科が該当するかもしれません。

「パソコン」は理科や技術に加えて数学(算数)も含まれます。
または、ユーザーとして情報を扱うという意味では道徳や国語もあるのかもしれません。

何かの物事を分解すると、各教科に分けられることがわかります。

理由③ すべての人のすべての可能性を担っているから

「どの教科が将来必要か」は、個人によって異なります。

①医者を目指す人には生物や化学が必要
②小説家になりたい人には国語や歴史が重要
③エンジニアには数学や物理が欠かせない

学校教育は、すべての人の未来に備えて、多様な可能性を広げる役割を持っています。

ピアノの「平均律」と「純正律」の違いに例えるなら、純正律は一部の音の響きが美しくなるが、すべての調に対応できない。
一方、平均律はすべての調に対応できるため、より汎用的で実用的。

教育もまた、個別最適よりも全体のバランスを重視しているのです。

※平均律とは、ピアノのどの鍵盤も等しく調律すること、対して純正律とは、ある調専用に調律すること。純正律は、調律以外の調を弾くと不協和音を感じる。

3.高校の学習内容は無駄なのか?

これまでのことが理解できたとしても、さすがに高校の学習内容は「使わない知識ばかりでは?」と思うかもしれません。しかし、それにも理由があります。大きく4つに分けて紹介します。

答え① 全人教育・教科教育の延長

高校の学習は、小・中学校で学んだ基礎をさらに深め、思考力や問題解決力を鍛える場です。大学や社会で役立つ力を育てるために、より高度な学びが必要なのです。

答え② 受験などの試験ため

高校の学習は、大学受験の基礎にもなります。受験制度は、「知識量」だけでなく「努力を続ける力」や「問題を解決する能力」を測る手段として機能しています。

答え③ 「学び」自体を目的とする学問の世界

学問とは、実用性だけでなく「知ることそのもの」に価値を見出す世界でもあります。

①哲学は、すぐに役立たないかもしれないが、物事の本質を考える力を育てる
②数学の証明は、論理的思考力を鍛え、あらゆる分野で応用できる

知識を深めることそのものが、人間の知的探究心を満たすのです。

答え④ 実は知らないうちに使っている知識が多い

①音楽を聴くとき、周波数や振動の知識が影響している
②料理をするとき、化学反応を利用している
③経済ニュースを理解するとき、数学のグラフや統計の知識が活きている

意識しないだけで、学んだ知識は日常生活の中で役立っているのです。

まあ、意識しなくても生きていけますが…笑

4.そもそも「学び」を疑うのはなぜ?

「なぜ学ぶのだろう」と考えてしまうのは、それなりの理由があると思います。

ただ楽しくて楽しくて仕方がないという状態であれば、学ぶ意味を考える必要がないからです。
どんな理由があるのでしょうか。

a)理由① 課題が難しい

学ぶ意味を考えるのは、内容を理解しきっていないからかもしれません。

スポーツも最初は難しくても、できるようになると楽しくなるもの。
学びも同じで、理解できると「面白い!」と感じられるようになる可能性があります。

b)理由② やりたいことができて、学習が無意味に思えるから

「自分のやりたいことが見つかった!」というのは素晴らしいことです。

しかし、その分他の勉強が必要なくなっている可能性があります。
「全人教育」の視点における弊害かもしれません。

c)理由③ 人間関係の悩みが影響している

勉強そのものよりも、学校生活のストレスが原因で学びを否定的に感じている場合もあります。

勉強は、仲間がいることでつらいことも乗り越えられる場合が多くありますよね。
逆に言えば、孤独な勉強は苦痛になってしまい、勉強自体が楽しくなくなるのかもしれません。

まとめ

「なぜ勉強するのか?」という疑問には、さまざまな答えがあります。

①学校で学ぶことは、将来の可能性を広げる
②勉強は、知識だけでなく人との関わり方を学ぶ場
③学び続けることで、人生をより豊かにできる

「勉強は意味がない」と感じることがあっても、それは今だけかもしれません、と仮に言っておきましょう。

学びの本当の価値は、後になってから気づくものなのかもしれないということです。

でも、つらいものはつらいですよね!

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