書道・書写って必要ない?デジタル時代における習字の重要性について!

書道・書写って必要ない!と思ったことはありませんか?

現代は、パソコンで文書を作成し、スマートフォンで情報を発信できる時代ですよね。
そこで、今回は「書写」や「書道」は本当に必要なのか?という疑問からスタートします。

筆記具を持たずとも仕事は完結するのに、あえて手で書くという行為にはどんな意味があるのでしょうか。これから実用面と美的な側面の両面から探っていきます。

デジタル vs 手書き

便利なデジタルなものがあるのに、手書きによる文書作成は一見不要に思えるかもしれません。

しかし、デジタル社会においても、手書きが果たす役割は決して軽視できません。

実は、手で文字を書くことは、思考の整理や記憶の定着、さらには人間関係における信用構築など、多くの重要な効果をもたらしていると考えられます。

端的に言うと、単に「仕事をする」ためだけではなく、人生におけるさまざまな局面で、手書きの文化は隠れた生きる力となっていると考えられるのですが、以降に詳しく見ていきたいと思います。

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書写と書道の違い

本記事では、「書写」と「書道」を明確に区別します。
小中学校で教えられるものを「書写」とし、高校以降で取り扱われるものを「書道」と定義します。

書写:書写は、文字を速く整然と書くための技術です。日常生活や学習において、思考の整理、文字による伝達に直結します。

書道:書道は単なる実用性を超え、美を追求する芸術活動です。書道は、筆と墨を使って、文字の美しさやリズム、線の表情を表現するものであり、芸術的な感性を養うための重要な手段と考えられます。

このように、書写は「速く整えて書く」という実用的な目的に重点が置かれるのに対し、書道は「美」と「感性」を追求する活動であり、両者は教育の異なる側面を担っています。

書写の利点

実際に、書写・書道はどんな利点があり、どんな必要性があるのでしょうか。

①思考の基礎になる

手で文字を書くという行為は、単なる情報伝達の手段ではなく、思考を深めるための重要なプロセスです。

小中学生の頃を思い出してください。算数や数学の問題を解くとき、紙に書きながら考えていませんでしたか?

漢字を覚えるとき、何度も書いていませんでしたか?
その他の授業でも、紙と鉛筆が近くにありませんでしたか?

思い返せば、私たちの考える基礎を作ってきたのは、書く行為だと言えるのではないでしょうか。

さらに、ここで書写の出番が来ます。

書き方が雑で、0と6のどちらかわかりづらい字になる子を想像するとわかりやすいのですが、字を速く整えてかけるようになることは、思考を進め、深める上での重要な要素となります。

つまり、ノートが整っているほどに思考が整理され、情報を使いやすいわけです。しかし、整えて書くのを意識しすぎると時間がなくなります。

これが、書写の目指す「速く整えて書く」です。

このように、書写は学習のすべての基礎となる、思考の土台を築くために一役買っています。

②社会的な信用度が増す

丁寧に書く力は、社会に出たときの信用問題にも直結します。

就職活動、ビジネスの現場、さらにはローンの審査など、手書きの文書や署名は、その人の誠実さや信頼性を示す一つのバロメーターです。

これらのことから、字を整えて書く力を養うことは、将来的に大人としての信用を確立する上で、隠れた生きる力となると言えるだろうと思います。

手書きの習慣は、単なる書く技術以上に、自己管理や責任感、そして相手への配慮を学ぶ大切なプロセスとも言えるでしょう。

書道の利点

①人間にしかできないものとは

近年、AI技術の進歩により、さまざまな業務が自動化され、デジタル文書が主流となりました。

しかし、その一方で「人間にしかできないことは何か」という問いが浮上しています。
多くの人がその答えとして挙げるのが「芸術」です。

書道は、そんな芸術の中でも特に親しみやすい分野です。
なぜなら、誰もが「書き手」と「読み手」の両方の立場と深い関係があるからです。

例えば音楽は、聴くことは多くても演奏できる人は聴く人と同数ではありません。
ましてや作曲したことがある人は少ないでしょう。

同様に、彫刻や演劇、舞踊などにおいても、鑑賞した数は多くても、作り手(演じ手)の立場として何度も経験したことがある人はそう多くないと思います。

しかし、書道は、書写として小中学校で学習し、それ以降も「書く」という作業は継続して行われます。

すなわち、人生の中で、常に「書き手」と「読み手」の両方に立っていると言えると思います。

②誰もが芸術の近くにいる

私たちは、日常生活において無数の場面で文字を書いています。

手紙、メモ、ノートなど、書く機会は絵を描くよりもはるかに多いのが現実です。
こうした日常の「書く」行為にも、芸術的な視点を取り入れることで、単なる情報伝達を超えた美しい表現が可能になります。

つまり、絵画や演劇、彫刻、建築などでは、鑑賞者としての関わりが基本になる一方で、書道では「書き手」としての参加も可能になり、さらに身近に存在しているため、芸術としての関わりを持ちやすいと言えます。

AIにはできないとされる人間固有の活動としては、最も多面的で身近な分野とも言えるかもしれません。

書道は、こうした日常の延長線上にある芸術であり、書写の実用性と書道の美的価値が融合することで、私たちの感性を豊かにする一翼を担っています。

まとめ

書写と書道は、美しい文字を書くための技術や芸術だけでなく、私たちの思考や社会生活を円滑にするための手段にもなり得ます。

書写は、速く整然と書くことを目指す実用的な分野です。

それゆえ、学習の基盤となる思考力や、将来の社会生活における信用の一部だと言えます。

例えば、数字や文字が正確でなければ、計算ミスやコミュニケーションの誤解を生む可能性が考えられます。

書道は、芸術としての美を追求する活動であり、人間が持つ独自の感性を磨く手段となります。

日常の書く行為に芸術の視点を取り入れることで、単なる情報伝達から一歩進んだ、心の響きを感じることができるかもしれません。

パソコンやスマートフォンが普及する現代でも、書くという行為は、私たちの思考を整理し、内面と向き合う貴重な時間となります。

そして、学習や社会生活、さらには芸術的な感性といった、あらゆる側面において、豊かな人生を築く基盤となるのかもしれません。

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